恋愛

天使だ…。天使なんだった。

先生はわたしのことを好きだと言った。 あれから、わたしからは電話しないようにしていた。思い切って先生の電話番号も消した。 何より自分の心の平穏のために。 しばらく前に部屋の掃除していたら昔のメモ帖が出て来た。そしてわたしは見つけてしまった「先…

天気読み

坂道を降りたところに桜の木が一本だけ立っていた。コンビニからの帰り道。贅沢な春休み。映画の撮影の合間。4月上旬の夜のことだった。わたしは先生のほうを振り返って頭上を指差した。「見て、満開」もう少しふたりだけでいたかった。理由はなんでもよかっ…

浮き世のすべてが恋しくてたまらなかった

先生に電話した日をいつもカレンダーに記していた。最後に電話して2週間経ったからそろそろいいかもしれない。テレビに椎名林檎が出るからそれを理由に、ただ単に、思いついたから電話したって感じで。「見れないから録画しておいて」って言おう。また今度電…

神様、本当は神様なんていない

「ちゃんと話すから、ちゃんと聞いて欲しいの」 前日、わたしの話をはぐらかした先生に電話をかけて、わたしはゆっくりと言った。「ちゃんと聞いてね?」わたしは体育座りをして、自分の裸足のつまさきを見つめながら言った。今でも鮮明に覚えている。とても…

稲妻の様に生きていたいだけ

遊園地で遊び終えて、スカイラークにたどり着いたのは午後11時。わたしたちはすっかり疲れ果てていた。午後から天気は良くなったけど星は見えない夜だった。店内は明るすぎて逆に気分は暗くなった。あぁ、そっか、もうすぐ帰らなきゃいけないんだ。そう思う…